恋路

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「失礼致します。 専務、樹さんをお連れしました。」 経悟がこの部屋の主に告げる。 中を見渡すと、とにかく部屋はかなりの広さにシンプルな作りで、手前には黒革のソファーと白い机があり、ソファー二つの間に机が置かれ向かい合って座る形に置いてある。 その奥には仕事用の机に、座り心地の良さそうな椅子がある。 後ろはガラス張りになっており、景色が一望出来る。ここからの景色は眺めが良く、人が蟻くらいの大きさに見えるぐらい高い。 この部屋の主はその仕事用机でパソコンに向かい、作業をしていた。 「あぁ、ご苦労。 経悟、早速報告書の説明をしてくれ。」 「はい。 樹さん、どうぞこちらに。」 そう言われ、黒革のそのとても座ったら固そうなソファーに促される。 「はい!」 おずおずとソファーに座ると、腰が深く沈み、思っていたよりも柔らかくとても座り心地が良くて驚く。 芽咲が座ったのを確認し、一冊のファイルを机に置いて、経悟が向かい側のソファーに座る。 そして紫炎も作業を止め、経悟の隣に腰掛けた。 .
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