123人が本棚に入れています
本棚に追加
「こちらが先日の会合の報告書になります。提出期日は今週中です。またこちらから取りに伺わせて頂きますね。」
「はい。」
ファイルから報告書用紙を何枚か取出し渡された。
そしてもう一つ、白い小さな封筒が目の前に置かれる。
「秋山様から樹さんに招待状が届いております。
再来週に秋山様の社が主催するパーティーがあり、それに樹さんも参加して頂きます。」
少し不安気な表情を浮かべ、白い封筒を手に取り開けてみると、確かに招待状が入っていた。
「この事はこちらから経理部の上の者に伝えておく。当日はこの三人で出席するから。」
「分かりました。」
「当日の事は日が近くなったら説明させて頂きますね。また分からない事があれば何でも聞いて下さい。」
芽咲の不安に気付いたのだろう、優しく安心させるように経悟が言った。
「はい、有り難うございます。」
経悟の笑顔に、また自分を気遣っての言葉に少し安心して、先程までの不安気な表情は薄れた。
「この話しは以上だ!経悟は仕事に戻ってくれ。
樹さん、秋山様の事で少し聞きたい事があるんだ。
もう少し時間いいかな?」
「あっ、はい!」
慌てて頷く。
座っていた経悟も席を立ち、一礼してから静かに部屋を出た。
扉が閉まったのを確認してから紫炎が口を開いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!