恋路

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「こちらが先日の会合の報告書になります。提出期日は今週中です。またこちらから取りに伺わせて頂きますね。」 「はい。」 ファイルから報告書用紙を何枚か取出し渡された。 そしてもう一つ、白い小さな封筒が目の前に置かれる。 「秋山様から樹さんに招待状が届いております。 再来週に秋山様の社が主催するパーティーがあり、それに樹さんも参加して頂きます。」 少し不安気な表情を浮かべ、白い封筒を手に取り開けてみると、確かに招待状が入っていた。 「この事はこちらから経理部の上の者に伝えておく。当日はこの三人で出席するから。」 「分かりました。」 「当日の事は日が近くなったら説明させて頂きますね。また分からない事があれば何でも聞いて下さい。」 芽咲の不安に気付いたのだろう、優しく安心させるように経悟が言った。 「はい、有り難うございます。」 経悟の笑顔に、また自分を気遣っての言葉に少し安心して、先程までの不安気な表情は薄れた。 「この話しは以上だ!経悟は仕事に戻ってくれ。 樹さん、秋山様の事で少し聞きたい事があるんだ。 もう少し時間いいかな?」 「あっ、はい!」 慌てて頷く。 座っていた経悟も席を立ち、一礼してから静かに部屋を出た。 扉が閉まったのを確認してから紫炎が口を開いた。 .
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