恋路

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「ハァー……、 本当に巻き込んでごめん……。」 紫炎は深いため息を吐いた後、座った状態で頭を下げ謝った。 その姿や口調からは威厳ある“専務”という立場をとっぱらったいつもの素の紫炎がいた。 「そんなっ…! 巻き込んだなんてっ…! 秋山様は元々私が担当だっただけだから、紫炎が気にする事じゃないよ!」 そう言うも、先程の芽咲の不安気な表情が気になる。 この場に芽咲を残したのは勿論、秋山様の事もあるが芽咲が心配なのと、経悟の事が気になって残した。 芽咲の不安に気付きフォローを入れる経悟に軽く嫉妬したのもある。仕方のない事でもあるし、経悟に他意はないと分かってはいるが、下心で芽咲をこの場に残したのだった。 (何ヤキモチなんて妬いているんだか……。大人気ないな…) 分かってはいるが、芽咲の事になると余裕がない自分がいた。 .
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