幕開け

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(今日は午後から会議が入っているってのに、仕事が減らないし進まない。しかも頭痛が酷い。最悪だ……。) そんな事を思いながら眉間の皺は濃くなる一方で、仕事は進んでくれない。 一つため息を漏らすと、心配そうにファイルを抱えた男が隣に立っていた。 「専務!大丈夫ですか?顔色が優れませんよ。」 この男は秘書の、 矢代 経悟(やしろ けいご) 俺の直属秘書で入社した時からの付き合いだ。 社内で唯一信頼している存在で、仕事では片腕でこいつの代わりはいない。 「…大丈夫だ。それより、午後の会議の資料を持って来てくれないか?」 「…あんまり無理しないで下さいよ?今お持ちします。」 そう言い棚から一つのファイルを手渡した。 「専務、早めに食事を取りませんか?昼食を取りながら、ファイルに目を通しましょう。」 「そうだな。昼食の用意を頼む!」 経悟は内線に掛け昼食の用意をし始めた。
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