123人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
「えっ………。あっ、あぁ、………ありがとう…。」
上手く言葉が出ず、やっと出た言葉がこれだった。
二人は見つめあう。
少しの沈黙の中、芽咲が口を開いた。
「それじゃあ、失礼します。」
そう言い一礼すると踵を返し部屋を出て行こうとした。
紫炎は慌てて芽咲を呼び止る!
「芽咲!!」
何を話すかも考えず、ただ反射的に呼び止めてしまい、声が大きくなる。
行って欲しくない一心で、気付けば立ち上がり真剣な眼差しで芽咲を見つめた。
芽咲は驚き、入り口の前で立ち止まり振り向く。
話したい事があり過ぎて、何から話したらいいのか上手くまとまらず、しかし早く何か話さなくてはと心が急く。
「……よく、分かったな。」
結局、考えて出た言葉はこんな言葉しかなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!