幕開け

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「えっ………。あっ、あぁ、………ありがとう…。」 上手く言葉が出ず、やっと出た言葉がこれだった。 二人は見つめあう。 少しの沈黙の中、芽咲が口を開いた。 「それじゃあ、失礼します。」 そう言い一礼すると踵を返し部屋を出て行こうとした。 紫炎は慌てて芽咲を呼び止る! 「芽咲!!」 何を話すかも考えず、ただ反射的に呼び止めてしまい、声が大きくなる。 行って欲しくない一心で、気付けば立ち上がり真剣な眼差しで芽咲を見つめた。 芽咲は驚き、入り口の前で立ち止まり振り向く。 話したい事があり過ぎて、何から話したらいいのか上手くまとまらず、しかし早く何か話さなくてはと心が急く。 「……よく、分かったな。」 結局、考えて出た言葉はこんな言葉しかなかった。 .
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