幕開け

22/37

123人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
少し困ったように笑って言った。 「いつも体調悪い時に、こめかみに手を当てるでしょう?紫炎の癖。」 芽咲の声が 言った言葉が、頭と胸の凄く深い所に響いて、打ち抜かれるような感覚に陥った。 その打ち抜かれた所が熱を持ち、熱くなり苦しくなる。 気付けば足は芽咲に向かって歩き出していた。 眼は彼女以外何も映らない。 「………芽咲。あのさ、……」 喉の奥まで出掛かっている感情を必死に抑え、言葉をゆっくりと紡ごうとした…。 その時! 会議室のドアが開き、沢山の資料を抱えた経悟が入って来た。 「っ!!失礼します!!」 芽咲は驚き、慌てて会議室を飛び出して、出ていってしまった。 .
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

123人が本棚に入れています
本棚に追加