幕開け

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そんな彼女がどこに向かっているかと言うと、現在時刻8時前。 もちろん会社である。 社会人の芽咲は大手企業に勤めており、沢山のビルが立ち並ぶ道を通り抜け、一際大きい高層ビルの中に入って行く。 社内を歩く時も先ほどと同様、誰もが振り返り芽咲に目を奪われ、明るく挨拶を交わしながら進む。 8時半から朝礼だが、少し早く来ては仕事の準備をする。 芽咲は若くして良いポストに立っているが、それを鼻に掛ける事もなく、寧ろ謙虚で律儀な為に、上司からも後輩からも信頼され慕われている。 だから、上の立場であろうと早く出社しては仕事の準備をしたり後輩の仕事だろうと進んで仕事を行う。 そこに芽咲の慕われ、気に入られる理由があった。 .
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