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「芽咲様、お久しぶりです。まさか紫炎様とご一緒とは思いませんでした。」
芽咲が家を出てからと言うもの、あまり顔を会わす機会がなかった。芽咲と紫炎が一緒にいる事に倉松は心底驚いた。
それは、倉松は芽咲が自分の行動を徹底して厳しくしているのを知っていたからだった。
紫炎との関係に注意を払ってきた。噂にならないように、外では‘紫炎’と呼び捨てで絶対に呼ばなかった。身内や内々の中では下の名前で呼ぶ。
又2人でいる事を避けた。人の目がある所では、業務的な事しか話さない。2人でいる時は普通に話をする。
この使い分けは小学生の頃からで、芽咲の紫炎を立て、自分の立場をわきまえる姿に、倉松はただただ驚くばかりだった。
また小学生の頃に芽咲に言われた言葉に倉松は胸を打たれた。
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