幕開け

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それは、2人が小学生の頃。 この時は小学校が近かった為、たまに用事がある時は車で迎えに行くくらいだった。 紫炎は風邪を引き学校を休み、芽咲は学校に行った。しかし夕方に大雨が振り出し、傘を持って行っていないと気付き倉松が芽咲を迎えに行った。 大雨の中を校門まで走って来た芽咲に倉松が声を掛け、急いで車に乗せた。 「芽咲様、お迎えに上がりました!風邪をひかれます、こちらのタオルをお使い下さい。」 そう言いタオルを渡すと、 「倉松さん、ありがとう。でもお迎えはいいの。」 芽咲はこんな事を言った。 「どうしてですか?こんな大雨の中、歩いて帰ったら濡れて風邪をひかれますよ?」 「だって、倉松さんは紫炎の運転手だよ?私がお金を払って乗せてもらってる訳じゃない。だからいいの。また紫炎がいない時は、例え台風や嵐でもお迎えはいいの。」 この言葉に倉松は驚くばかりでなく感銘を受けた。 .
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