恋煩い

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行く準備が整うと時間も7時を回っていた。 (出社するなら丁度良い時間だ。今日は経悟の送迎もないしな。) 会社まで車で約20分。出社するには少し早かったが、午後に上がるなら早目に来て、出来るだけ多くの仕事を終わらせたかった。 家を出る前に芽咲に声を掛ける。 「芽咲、今から行って来る。すぐ戻るから……。」 悲しげな目を見せる紫炎。自分に気を使ってくれている事がよく分かる。安心して行って欲しい為、少し笑顔を作ってみせる。 「気を……付けてね?…行って…らっしゃい…。」 芽咲を家に1人で置いていくのに、気が気でなかった。出来るならずっと傍にいてやりたい。自分の思いに気付いてわざと笑顔を見せる芽咲に愛しさは増していく。 少し屈み、芽咲の額に軽くキスをして笑ってみせる。 「っ!!////」 「行って来ます。」 そう言うと部屋を出て、静かに扉を閉めた。 (ビックリしたっ!!////) 熱が更に上がりクラクラしてのぼせてしまう芽咲だった。 .
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