恋煩い

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玄関の鍵を掛けたと同時に、顔が真っ赤になったのが分かった。 (何をしているんだ俺は///!!自分でしておきながら照れるなんて……。) 片手で顔を押え歩きだし、エレベーターで地下まで降りると車に乗り込む。 シートベルトをすると気持ちを切り替え、車を走らせた。 (限界か…。自分の気持ち抑えるのも。芽咲が家を出たあの日から、俺の中の何もかもが止まった……。まさかこんな形でまた、芽咲が傍にいるなんて…。抑えがきかない。) 考えれば考える程頭の中は芽咲の事ばかり、溢れ出す思いは止まらなかった。 会社に着きオフィスへ入ると経悟が出迎えた。 「おはようございます!専務、体調の方は大丈夫ですか??」 上着を受け取り心配そうに聞いて来る。 「あぁ…、まだ本調子じゃない。済まないが、午後は仕事を持って帰って自宅でしたい。」 「分かりました。スケジュールは調整してあります。昨夜、深海家の執事の方からお電話頂いて驚きましたよ! 今日はお休みされる予定で組んであったので仕事を持って帰られなくて結構ですよ?ゆっくり休んで下さい。」 「ありがとう。お前の方こそ大丈夫か?大阪から始発で帰って来たんだろ。」 「私は大丈夫ですよ!今はご自分の体調を心配して下さい。」 経悟は笑って応え、スケジュールの確認をし、それから仕事を黙々と進め時間が経っていった。 .
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