恋煩い

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病院に着き起きると、薄い毛布を羽織り車から降りる。流石にお姫様抱っこで病院に入る訳にもいかず、紫炎が芽咲の肩を支え中に入った。 大きな病院で平日にも関わらず人が沢山いた。 紫炎が受け付けを済ませ、内科の診療室の前まで歩き、待ち合い場で椅子に腰掛けて待つ。 すると、優しく芽咲の肩に紫炎の手が回りゆっくり押し倒された。 抵抗する力もなく、芽咲は紫炎の方に倒れまさに今、椅子に座ったままだが膝枕をされている状態だった。 慌てて起き上がろうとするが紫炎の手に阻まれる。 「…紫…炎……!?//」 「いいから寝てろ。まだ呼ばれるのに時間がかかる。横になった方が楽だろ?」 下から紫炎の顔を見上げると、優しく微笑み頭を撫でてくれる紫炎の顔があった。 恥ずかしくて紫炎の顔を直視出来ず、顔を反らし横向きにし目をつぶる。 目をつぶっていると何処からともなく声が聞こえてくる。女の人の話し声で、芽咲は目を閉じたままその声に耳を傾けた。 「カッコいい!!///あんな彼氏いたらなぁ~!」 「彼女だよね?アレ!いいなぁ~!!///羨ましい!私もあんな事されてみたい!!///」 「あらやだ!良い旦那さんねぇ~!男前だし!///」 「ウチの旦那とは大違いだわ!!///」 等々、聞こえてくるのは待ち合い場にいる人や看護婦達の会話で、勿論紫炎と芽咲の事であった。 芽咲は恥ずかしくて益々目を開けられなくなってしまったのだった。 .
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