恋煩い

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そっと額に貼ってある冷えピタを剥がし、新しい物に交換すると芽咲がうっすらと目を開いた。 「…着替えを用意したから着替えよう?スポーツドリンクも空だから新しいのを持って来る。」 「…あ…りが……と…。」 芽咲の体をゆっくり起こし、着替えを手渡すと空のペットボトルを持って寝室を出る。 ぼんやりした頭でゆっくりだが着替え、横になる。そのまま紫炎が戻る前に眠ってしまった。 紫炎は冷蔵庫からスポーツドリンクを取出す。自分のコーヒーを入れ、先に書斎へ持って行ってから寝室へ向かった。 コンコン。 寝室をノックするが中から返事はない。 恐る恐る中を見ると、着替えが終わりまた眠っている芽咲の姿があった。 乱れた布団を直し、肩まで布団を掛けようとした時、芽咲のパジャマのボタンが掛け間違えている事に気付いた。 (一番上と二つ目で胸が見える訳でもないから、いいか…。) 掛け間違えたボタンを直してやると首筋に銀色のチェーンを見つける。 気になり持ち上げると、ネックレスでそのネックレスに見覚えがあった。 (これは、俺がプレゼントしたネックレス…!去年プレゼントした物だ…。) 二人は今までずっとお互いに誕生日プレゼントを交換しており、去年は青い小さなバラのネックレスで、バラの中に誕生石のラピスラズリが入っている物だった。 芽咲は紫炎からもらったネックレスを毎日大切につけていた。 (…つけてくれていたのか…。) .
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