恋煩い

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体温計を手渡され計ってみると36.8℃で熱は下がっていた。 「もう大丈夫だよ?」 「朝は熱が下がる。昼に上がるかもしれないから安静にしてるんだ。」 「……はい。」 渋々返事をする。 看病してもらっている以上何も言えない。 「明日も大事をとって休んだ方が良い。他の社員にうつすのも良くないしな。」 芽咲は返事をせず肩を竦めた。自分が会社を休む事で周りに迷惑を掛ける。しかし紫炎の言う事もごもっともで、周りに風邪をうつす訳にもいかない。 「しっかり休む事も大切だ。」 そう言うと頭を優しく撫でられ、まるで拗ねた子どもをあやすようで、芽咲は恥ずかしくなり、情けなくもなり素直に従う事にした。 「朝ご飯を食べよう。それから薬を飲んで、少し横になろう?」 「分かった……。」 「何か食べれる物や食べたい物あるか?」 「……えっと、……うどんが食べたい。」 「分かった。今用意するからそこに座って待ってて。一緒に食べよう。」 「ありがとう。」 紫炎がキッチンに行き、朝食の準備に取り掛かる。 芽咲はソファーの上でテレビを見て待つことにした。 .
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