123人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
体温計を手渡され計ってみると36.8℃で熱は下がっていた。
「もう大丈夫だよ?」
「朝は熱が下がる。昼に上がるかもしれないから安静にしてるんだ。」
「……はい。」
渋々返事をする。
看病してもらっている以上何も言えない。
「明日も大事をとって休んだ方が良い。他の社員にうつすのも良くないしな。」
芽咲は返事をせず肩を竦めた。自分が会社を休む事で周りに迷惑を掛ける。しかし紫炎の言う事もごもっともで、周りに風邪をうつす訳にもいかない。
「しっかり休む事も大切だ。」
そう言うと頭を優しく撫でられ、まるで拗ねた子どもをあやすようで、芽咲は恥ずかしくなり、情けなくもなり素直に従う事にした。
「朝ご飯を食べよう。それから薬を飲んで、少し横になろう?」
「分かった……。」
「何か食べれる物や食べたい物あるか?」
「……えっと、……うどんが食べたい。」
「分かった。今用意するからそこに座って待ってて。一緒に食べよう。」
「ありがとう。」
紫炎がキッチンに行き、朝食の準備に取り掛かる。
芽咲はソファーの上でテレビを見て待つことにした。
.
最初のコメントを投稿しよう!