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その頃紫炎は、着々と仕事を片付けていき予定通り7時には上がれるまで仕事が終わっていた。
明日は大阪に出張しなくてはならない為、午前中には芽咲を自宅に送り届けなくてはならない。
その為、芽咲とゆっくり過ごせるのは今日しかない。それを考えると今すぐにでも上がりたい所だった。
それ程紫炎の胸には芽咲が大きく占めていた。
「専務、本日夕食はどうされますか?只今の時刻、6時を過ぎました。」
会社に残る時はお弁当を用意してもらい食べる。昼は食堂に電話して持って来てもらうが、お弁当の場合は経悟が外に買いに行ってくれる。
(芽咲も待っているからな…。)
少し間を置いてから答えた。
「今日はいい。自宅に帰ってから食べる。」
「分かりました。…………専務、このところ家にすぐ帰りたがりますね。何かあるんですか?」
経悟が不思議そうな顔で訪ねてくる。少しドキッとしたが冷静に返す。
「そうか?そんな事ないと思うが。」
「…気のせいならいいんですが。ペットでも飼いだしたのかと思いました。」
笑ってみせ、気が済んだのか再び何もなかったように仕事を始めた。
(妙に勘の鋭い奴なんだよな…)
内心ヒヤヒヤしてしまう。
その後、
しっかりと7時前に仕事を終わらせて会社を出た。会社を出ると急いで自宅へと向かう。
(今から夕飯を作るとなると8時か。芽咲を待たせてしまうな…。何を作ろうか。)
そんな事を考えながら車を走らせると、あっという間に自宅に着き急ぎ足で部屋に向かった。
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