恋煩い

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玄関の鍵を開け中に入る。廊下を歩くとリビングに明かりがついていた。ドアを開け中を見ると、キッチンに芽咲がいた。 キッチンに入り声を掛ける。 「ただいま!」 「あっ!お帰りなさい。」 にっこり笑い、食器を洗う手を止めた。 「起きてて大丈夫なのか?」 「大丈夫よ!」 今朝よりも顔色が良く、体力が戻ったように見える。 「あんまり無理するなよ?今夕食作るから。」 「あっ!晩御飯なんだけど、紫炎もう食べちゃった…?」 「いや、食べてないけど…。」 「晩御飯もう作ったの。キッチン勝手に借りてごめんなさい。チキンドリアで後焼くだけなんだけど食べれる?」 「作ってくれてたのか、ありがとう!食べれるよ。」 「良かった!今焼くね、オーブンかります!」 芽咲は嬉しそうに焼く準備を始めた。その姿につい目を細めて頬が緩んでしまう。 (芽咲の手料理を食べるのは何年ぶりだろう。) キッチンを出て寝室に入り着替えながら、ふとそんな事を思う。 芽咲の着替えを用意して寝室を出た。 .
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