恋煩い

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「あぁ、丁度出来たよ。」 「お腹空いちゃった!早く食べよう?」 嬉しそうに、先程の事などまるで何もなかったように振る舞う。しかし、芽咲を見つめ運ぶのを止めて紫炎が近寄った。 「芽咲、髪濡れてる。ドライヤーで乾かすのが先。」 そう言うと優しく芽咲の手を引き浴室へと向かう。 いつの間にか手にはドライヤーを持ち、スイッチを入れ紫炎が芽咲の髪を乾かしている。 「自分で乾かすからいいよっ!!」 紫炎からドライヤーを奪おうとするもかわされてしまう。 「大人しくする!病み上がりなんだから。」 真剣にそう言われると何も言い返せず、じっとしている他なかった。 ドライヤーの風を当てながらも髪をすく手が気持ち良い。頭を撫でるように優しく触れたり、毛先まで指を通され、くすぐったいようなマッサージをされているような感覚で心地良くなる。 人に髪を乾かしてもらった事など美容室に行った時ぐらいで、確かに人にしてもらうと気持ちよく落ち着くが、紫炎がやるとまた別で違う感覚に襲われ、あまりに気持ちよくボーっとしてしまい、身を任せたくなってしまう。 .
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