恋煩い

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「まだ起きてたのか、早く布団入って。またぶり返すぞ?」 「はい。あっ!紫炎ベッド使って、私はソファーで寝る。」 「俺はいいから、仕事残ってるし使って。」 「でもっ…!!」 「でもじゃない、言う事聞く。後、明日から出張で大阪に行くから明日の昼には家に送る。」 「…うん、ありがとう!看病しに来たのに逆に迷惑かけちゃってごめんなさい……。」 芽咲は申し訳なく思い顔が俯く。 「いや、芽咲はしっかり看病してくれたよ。ありがとう!移してしまって悪かった、ごめんな?けど、こうして一緒にいられて嬉しかった。」 芽咲の頭に手を置き、優しく微笑み暖かい眼差しを向けた。 芽咲も顔をあげ、それに応えるかのようにニッコリと笑う。 「書斎で仕事してるから何かあったら呼んで?早く寝るんだぞ、お休み。」 軽く頭を撫でられ髪が少しくしゃっとなる。まるで子どもが父親に頭を撫でられるような感覚でくすぐったかった。 「…お休みなさい。」 一言告げると、紫炎は頭から手を離しリビングから出て行った。 気が引けるものの、有り難くベッドを使わせてもらう事にし、寝室へと向かう。 .
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