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幼い頃からずっと一緒にいて、共に育ち寂しい時や辛い時、そばで支え続けてくれた紫炎。
芽咲にとって紫炎の存在はかけがえのない存在であり、紫炎に恋をしていた。
しかし、芽咲は幼いながらに紫炎に対するこの思いは、絶対にいけない事だと分かっていた。
身分違いの恋だと。
紫炎に自分は相応しくないのだと。
絶対に叶わない恋。
必死に自分の気持ちを押し殺し、隠してきた。
大切な紫炎を困らせたくなかった。紫炎の両親を傷つけたくなかった。
大切にしてもらった分、大切にしたかった。
そう思うと、あの家で一緒に暮らす事は苦しかった。ならばせめて、違う形で力になりたいと思い、この道を選んだのだった。
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