愛惜

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(これはかなり警戒されてるな…どうしようか………。) 芽咲は俯いてしまい目を合わせようとしない。 そんな芽咲の様子を見て紫炎は口を開いた。 「この間はすまなかった………。芽咲を傷つけたかった訳じゃないんだ………………。芽咲が嫌がるような事はしないと約束する。だから、少しでいいから俺に時間をくれないか?」 紫炎の言葉を聞いて困惑してしまい少し顔を俯く。 横目で芽咲の反応を見るが俯いたままで何も返って来ない。 (……やっぱりダメか……。) 胸が痛み、沈黙が余計に心を重くする。 「…おっ……お帰りなさい…。」 ポツリと小さな声で呟いた。その言葉に驚き芽咲を見たが、少し俯いた顔が赤くなっていたのが見え自然と笑みが零れた。 「ただいま!」 .
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