愛惜

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料理を並べ終わり女将が口を開いた。 「まさか若がこんなお綺麗な方をお連れするなんて。若も隅におけませんね?何かありましたら何なりとお申し付け下さい。」 ニッコリと艶やかな笑みを残し部屋を退出した。 (…紫炎、若って呼ばれてる!だっ、大丈夫かな!?今の、私達の関係の事言ってたし、周りに言われてばれるんじゃ…!!) 一人テンパっていると 「ここは、大事な取り引きをする時によく使うんだ。口が固いしプライバシーを守ってくれるから大丈夫だ。 それより、メニューは勝手に決めてしまったが食べれるか?芽咲の好きそうな物を頼んだんだが…。」 紫炎の言葉に少し安心し、改めて料理を見ると確かに自分の好きなメニューや野菜ばかりだった。基本好き嫌いなく、美味しく食べれるのでどれも美味しそうだった。 「…大丈夫!ありがとう。」 少し微笑み紫炎を見ると、紫炎もそれにつられるように微笑み返した。 「…そうか。連れてきた甲斐あったよ。俺は運転があるから飲めないが果実酒を頼もうか、ここの巨峰が美味しいんだ。」 芽咲が慌てて止める前に紫炎は席を立ち、お店の中居らしき人に声を掛け注文してしまった。 「冷めないうちに食べよう。」 席に戻り箸を取り食事に手を付けた。それを見て芽咲も箸に手を伸ばし食べ始めたのだった。 .
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