愛惜

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「秋山様! ようこそお越し下さいました。 荷物をお持ちします。」 「樹さん、有り難う。 今日はまた一段と綺麗だね。」 「あっ、有り難うございます! ご案内致しますね。」 少し照れつつもにこやかな笑顔を向け、前を歩きフロントまで誘導する。 優しい面立ちで上品な雰囲気を纏った秋山。 エレガントで年齢的にはお爺ちゃん、だが素敵な身のこなし方やスマートさでおじ様の方がしっくりくるような方だ。 フロントで受付を済ませ、部屋まで荷物を運ぶ。 それからパーティーが始まる前に迎えに行く約束をし、芽咲は再び案内係の待機場所に戻った。 「先輩、お帰りなさい! 秋山様の案内お疲れ様でした。」 「ただいま! パーティー始まる前にまたお迎えに行かなくちゃ。 このホテル広いから会場までに行くのに迷子になりそう。」 「本当ですよね!まだ私達は案内図もらってるからいいけど、私は方向音痴だから見ても分からなくなります!」 ホテルはとてつもなく広く、又部屋や廊下は似たような作りで、 階や号室、自分がどこのエレベーターから乗ったのか等確認しないとパーティー会場には着けないくらいだった。 .
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