愛惜

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呼吸も落ち着きスーツを軽く整えると紫炎は話し掛けた。 「急いでいるようだけど何かあったのか??」 「あの、それがパーティー会場までご案内するはずのお客様が部屋におられなくて、今探している所なんです。」 廊下には誰もおらず二人だけだった。しかし、いつ誰が聞いているか分からない為、芽咲は敬語で答えた。 しかし何故か、いつもならその使い分けは気にならないのに、距離を凄く感じてしまい紫炎は眉間に皺を寄せた。 「二人だけの時は敬語は止めてくれ。」 とてつもなく低い声で、不機嫌そうな顔で言われ、仕方なく(今だけ…)と渋々従っておく。 「…う、う…ん。 紫炎も急いでいるようだけど何かあったの??」 心配そうに訪ねた。 紫炎は敬語でなくなったのに納得したのか空気は戻り、今度は困った表情を浮かべる。 .
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