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里沙は、駅に向かう為自転車に乗りおもいっきりスピードをあげペダルをこぎ始めた。
「今日は卒業式っていうのに……遅刻なんてありえない!」
そう、今日は里沙の通う高校の卒業式。三年生の里沙は今日、卒業をむかえる。
「まじでやばいな……」
そんな状況にもかかわらず、無常にも信号が赤に変わった。
さすがに信号無視はできず、里沙はブレーキをかけ静止した。
ほんの数分だが、里沙には長く感じていた。
信号が青に変わる。
里沙は急いで渡ろうと再び自転車をこぎ始めた。
横断歩道の真ん中くらいだろうか、反対側から渡ってきた一台の自転車と里沙はすれ違った。
里沙はその自転車に乗っていた相手と目があった。
一瞬だった。
だがこの一瞬の出来事が里沙にはいずれ大きな出来事のきっかけになった。
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