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くだらねえ日々の中で いつもの屋上で寝てたんだ 扉の音が響く空 あいつの足音聞いたんだ 「今日もここで一人かい?」 好奇な目で覗き込んだ 「いいから一人にさせてくれ」 あいつの目を見て言ってやった 俯いたままそいつはさ 一言小さく呟いた 「僕と一緒に走ろうよ」 いきなり腕を持ち上げて 無理に校舎を逃げ出した 大きな手が温かかった うるさい人込みや雑踏を ひたすら二人で駆けて行く 「どうして俺に構うんだ」 特異な俺をどうしたい? 「淋しい目をした君だから」 もう一度小さく呟いた ひたすら走り続けてさ 二人の鼓動が速くなる 「お前の手は温かいな」 俺が一人でいたからか? 「君の手も温かいよ」 お前のおかげの温もりさ
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