初対面の印象は最悪だった

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「あたしがこの世でいっちばん嫌いなもの教えてあげましょうか?」 「は、はい……」 「御堂って名字の人間よ!」  ビシッと修一を指差し詩織はそう言い切る。  目前まで迫ってきた詩織の指に修一は困ったような笑みを浮かべる。  そんな修一を無視するように詩織はくるりと踵を返すと再び転がっている妖魔の死骸をまたぐとそのまま歩いて行く。  その背中に慌てたように修一が声をかける。 「あ、あのっ、詩織さん!」 「人の名前を気安く呼ばないでっ!」  呼びかけにそう一蹴すると詩織は怒りのオーラを纏ったまま歩き去ってしまった。  後に残された修一はポリポリと頭を掻くと困ったようにへにゃっと笑う。 「まいったな、こんなはずじゃなかったのに……」  小さく溜め息を吐くと修一は妖魔に刺さったままの自分の槍を抜くと刃先についている血を振り払う。  その槍を背中に掛けてある鞘にしまうと、詩織の後を追うように小走りでその場を後にする。
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