初対面の印象は最悪だった

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 詩織は男との間にある妖魔の死骸をまたいで男のそばまで行くとちょうど自分の顔の辺りにある男の胸倉を掴むとぐいっと自分の顔の前に男の顔を引き寄せる。 「あんた、誰なのよ」  ドスのきいた低い声で詩織は問いかける。  男は長い前髪に隠された切れ長の目をおどおどとさせながらどう答えたらいいものかと迷っているようだった。 「え……えっとですね……」  困ったように眉尻を下げながら男が説明するために口を開く。 「僕の名前は御堂修一と言います……」 「御堂!?」  男の言葉に詩織は大きな目をさらに大きく見開いて驚きの声を上げる。  それに修一は笑みを浮かべ「はい」と頷く。  瞬間、詩織は修一の胸倉を掴んでいた手を勢いよく離す。  その勢いに修一の体は後ろに一歩下がる。  詩織は眉間のしわをますます深くして修一の顔を睨みつける。
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