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「久しぶりだねぇ」
騒がしい街中で、そこだけまるで別空間のように人気のない建物の中からおばあさんが出て来て、目が合った。
「5000年ぶりくらいかい?」
「はい?」
腰が曲がってヨロヨロと歩いてくるおばあさんは、それでもしっかりと顔をあげ私の目を見据えていた。
全く見覚えのないその人に軽く困惑を覚えながら、私はなんとなく興味を抱き、おばあさんが近づいてくるのを待った。
「ねぇ、おばあちゃん。私に話しかけてるの?」
「名前はアイラと言ったかい。いや、今の名前はなんと言ったかねぇ。」
「‥‥アイラ?」
「そうさ。懐かしい響きだろう?」
「‥‥‥」
おばあさんはにっこりと笑う。
私はその笑顔に懐かしさを感じた気がした。
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