雨の日

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長い長い一日は、何だかあっという間に終わった。まあ、今日はこれから部活だし、直ぐには帰れないけどね。 「ナチルー、彼氏さんが迎えにきたよー」 「!――、あ、うん」 なずなが教室を出る前に振り返ってあたしに告げた知らせに、心臓が大きく跳ねたのは、嬉しくてトキメイたといったものじゃない。 寧ろ、逆――。 「部活前にちょっといいか?」 「…、うん」 なずなが教室から出て、クラスの皆もそれぞれ部活に行ったり、帰宅したりで教室には、静寂が訪れた。 二人きりになってしまったそこに流れるのは、恋人達の間に流れるような甘い空気なんかじゃない。 表ではまだ恋人同士ということにはなっているけど、実際はもう破局済みだ。 彼、中島はじめは、同じバスケ部の部員。といってもあたしはただのマネージャーなんだけど。 「俺さ、好きな奴できたから、もういい?」 「…あたしが引き留めたら何か変わるの?」 「…別れんの納得してたじゃん」 確かに納得はした。 今だって別に引き留める気なんてこれっぽっちもない。 ただ、悔しいだけ。 それ、だけ――。 →
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