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結局あの後、無断で部活を休んだあたしは、さっきよりも雨の激しさが増した中、傘もささずに家に向かって歩きだした。
頬に当たる雨の雫が冷たい。
制服のシャツが張り付いて気持ちが悪い。
「……」
あたしは一体はじめにどうしてほしかったんだろ。ゴメン、て一言謝ってほしかっただけ?
帰り道にいつも通り掛かる河原で、足を止めたあたしに容赦なく叩きつける雨。
見上げた空は、あたしと同じで泣いてるんだよね…?
「泣かないで。――、あたしも直ぐに泣き止むから」
空に向かってかけた言葉。
それはきっと、自分にも言い聞かせるための言葉。
涙を流すのは今日で最後。
あたしはいつまでもくよくよして前に進めない弱い女の子なんかじゃない。
「風邪を引くぞ」
「え――?」
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