ココハ、ドコ?

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「短い間、お世話になりました。」 三ヶ月くらい働いていた居酒屋を辞めた。 理由は…。特に無い。 ただ何となく、”自分にはむいていない気がした”それだけだった。 「アリスちゃん本当に辞めちゃうんだ…」 「アリスちゃんが辞めたら客来なくなっちゃうよ~」 「元気でね、たまには遊びに来てね」 一緒に働いていた人達からの声を聞きながら店を後後にした。 「さて、どうするかな…」 「取り合えず…。上行ってみるか」 辞めた居酒屋が入っていたビルは、三階建て。 一階はファーストフード店、2階が居酒屋、そこの上は…。 よく分からないけど、何かの会社が入ってるみたい。 それでもって屋上。 ”立ち入り禁止”の看板とクサリはしてあるものの、それを潜っちゃえば屋上のドアには鍵はかかっていない。 「こんなんで良いのかね~」 などと思いつつも、ここに来てボ~っと周りを眺めているのは結構好き。 「…」 「……」 「………」 「ピ、ピ、ピ、ピ~ン」 「十二時ジャストをお知らせしま~す」 「このまま帰ってもヒマだし、どこかフラフラしてから帰…」 時計代わりの携帯から目を離し、何気なくビルの下を見るとビルの裏手側、あまり人の通らない場所に数人の人影が。 よく見ると一人を三人が囲んでいた。 「…女の子一人に男が三人。ナンパか?」 「っと言うよりは、何だかもめてる見たいかな?」 「ヤダヤダ。面倒事はゴメンだよ」 多少は気になりつつも、取り合えず屋上から降りていった。 「さてどこ行くかな」 ビルを出て最初の角を右に曲がり、しばらくすると小さな十字路。そこを直進しようと歩いていると。 ドン。 「痛った~い」 いきなり出てきた人影とぶつかった。 「チョット、ちゃんと前見てよね」 「あっ!!」 「えっ?」 「見つけた。」 「はい?」 「やっと見つけた。あなた”アリス”でしょ?」 「確かに私はアリスだけど…。あなた誰?」 「私はあなたの…」 「見つけたぞ。コッチだ」 声がした方を向くと遠くから三人の男が走ってくる。 「!!」 「まったく。まだ来るか」 迫ってくる男たちを見て、気づいた事、それは…。 「…あんたまさか、さっき絡まれてた女の子じゃ…」 「あぁ、あんまりしつこいから軽くふっ飛ばしてやったけどね」 「ふっ飛ばしてって…」 「まだ来るか。飽きない奴等だ、またふっ飛ばされたいのか?」
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