辺境の希望

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村の健児が集められ上都ザナドゥまで村の役人により送還される。 ブランドンと幼馴染みであるジュドーは共に夫役に選ばれてしまったため、やむを得ず旅装を整え出発したが、 途中大雨に突如見舞われ足止めされてしまった。 雨は時折中降りとなったものの依然として降り続けた。3日ほど足止めをくらい、村の役人たちは酒をかっくらいうさを晴らしていた。 雨音の中コンコンと扉を叩く音がする。 役人たちはその音に度を抜かれたが、入って来たのが農民たちだとわかると、即座に胸をなで下ろした。 役人「このような時刻になにごとか?」 と不満げに問い掛けた。 ジュドー「これからのことです。」 役人「これからのこと?」 役人は目を白黒させて言った。 ジュドー「しばらくはこの雨はあがりそうにない…。 このままでは我らは死刑です!」 そう夫役は刻限に3日遅れるとムチうちの刑7日遅れると死刑という厳しい法律が存在するのだ。 すでに3日過ぎ4日目、このままでは川の水が引くまでに相当かかる。 死刑確定である。 ジュドー「我らは都には登らないことに決めました。」 そう聞くと、役人は今にも倒れそうなくらい驚き 役人「お前たちそれが何を意味するか分かっているのか? 反逆者は3族市中引き回しの上斬首であるぞ? 」 その時農民の中からブランドンが進み出た。 「進むも地獄、退くも地獄。同じ地獄ではないか?ならば、逃げるまで。」 呆気にとられ呆然としている役人たちをよそにさらに言う。 「あんたがたも俺たちが逃げたら死刑に確定だ。だから共に逃げましょう。」 それを聞くと兵士が目をいからせ剣を抜き放った。 ブランドンは軽い失望を感じながら 「外は抑えてある!抵抗は止めて武器を捨てろ!」 外には農具などで武装した農民がたむろしているのが見える。 多勢に無勢と悟った役人責任者は兵士に武器を納めさせ武器を渡すように命じた。 こうしてブランドンとジュドーは夜陰にまぎれあてもなく村からスタコラさっさと逃げ出したのだった。
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