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まぁるいもの
まぁるいもの…
星が輝く空に
まぁるい形の満月。
独り言の多い深夜2時
月には、うさぎが
住んでるんだよ？
遠い昔…
誰かが言ってた。
見上げる度に思い出す。
まさか、いまでも
それを信じている訳じゃ
ないんだけど…
忘れたくない気持ちって
あるんだよね。
「それは、…
どうしてだと思う？」
「………………」
遡る記憶…
懐かしい声、あの日の匂い。
瞼の裏に浮かぶ
その人影…
はっきりとは見えない。
「わからない、…よ」
いくつ、ぐらいだろう。
十分には満たない
思考回路では
考えていなかった。
答えを求めてはいなかった。
「…なんでなの？」
途切れた会話。
それを続ける僕の言葉に…
ふわりと優しい
笑みが零れる。
「さぁね、
俺にも…わからない」
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