アンジュさっすが~

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「あ゙~づがれだぁ~」 小さな姿になりナーオスに帰るのもやっとな私は 何とかナーオスにたどり着いた。 「………。」 アンジュは緊張した様子でキョロキョロとしている。 そんなアンジュに小さながら 私はそっとアンジュの手を握った。 「!!…ルナちゃん…。」 私を見て一瞬驚いたようだが私の手を力強く握り 小さく「ありがとう」と漏らすと 穏やかに微笑んだ。 「…あれって聖女アンジュじゃない?」 「あら本当…また騒ぎを起こしに来たのかしら……。」 回りから口々にそんな声がした。 「………………。」 「………………。」 アンジュはただ黙り込み 眉を垂らしていた。 決して、人々から目を離す事はなかったが。 ああ。謝らなきゃ。 私が余りにも無責任過ぎたかも知れない。 「…アンジュ。ごめんね。」 アンジュの顔が見れなくて 私は俯きながら言った。 「え……?」 アンジュの方から視線を感じる。 私を見ているのだろう。 「私、無責任過ぎたね。 知ったような口聞いてごめんね。 ……本当にごめんなさい。」 「ルナちゃん……。」 「本当に…ごめん。ごめんなさい…。」 「ルナちゃん。」 優しく私を呼ぶと私の前に座り 私の手を両手で握りながら言った。 「ルナちゃん。気にしないで? わたし、ルナちゃんがああ言ってくれた時、凄く嬉しかったの。 どこか心が軽くなったような気がして もう一度外に出る勇気が湧いた。 本当よ?だからもう謝らないで。」 そう言い終わると ふわりとアンジュが私を包んでくれた。
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