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「ぅ…ごめんね。…ありがとう」
ぽんぽんと私の頭を撫でると
私からそっと離れた。
「あ!聖女さまだぁー!」
「聖女さまぁ~」
後ろから子供の声がして
アンジュが後ろを向けば
小さな女の子と少しばかり大きな男の子が
アンジュに向かって走ってきた。
「聖女さま!わたしまた怪我しちゃったから、聖女さまに治して欲しいの!」
「僕たち、聖女さまが帰って来るの
ずっと待ってたんだ!
変な人たちに連れて行かれて
大丈夫だった?聖女さま怪我してない?」
二人して心配そうな顔をして
アンジュに言った。
そんな二人を見て
驚いた顔をしたがすぐに笑みに変わった。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。」
言い終わると、私にしたように二人の頭をそっと撫でた。
「えへへ。ねぇ聖女さま!
聖女さまはこれからずっとこの町に居てくれる?」
女の子がそう言うとアンジュは少し悩んだそぶりを見せた。
「あのね、わたしはこの人達と旅をするの。でも、旅が終ったら絶対に戻るから。だからそれまで待っててくれる?」
「うん!絶対帰って来てね!」
男の子が言い終わると
アンジュは一言「約束ね」と言った。
「わたしたちお使いに行ってるから!またね聖女さま!」
そう言うと子供達は店の方へ駆けていった。
「…よかったね。アンジュ。」
小さくルカがアンジュに言った。
あ~
存在忘れてた。
悪い悪い。
「うん。…本当によかった。」
嬉しそうに言うアンジュ。
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