ふねなんて…ふねなんて

6/6
前へ
/203ページ
次へ
「…オレ、昔の記憶無いだろ?」 いきなり本題か! びっくり! 「う、うん。私との記憶でしょ?」 私がそう聞くと、スパーダはコクンと頷いた。 「オレよぉなんかずっとそれが悔しくてさぁ…。」 何で? それ悔しがるところ? 意味分からんぞスパーダ。 「なんで悔しいの?」 「……わかんねぇ。でも、アンジュはお前覚えてる。 オレは覚えてねぇ。…なんかそれが嫌なんだよ…。」 ………もしかしてスパーダ…。 あんたアンジュに敵意でもあんの? ライバル?何なんだ マジでよぉ。 「スパーダさ。アンジュの事嫌いなわけ?」 「別に嫌いな訳じゃねぇんだよ。」 訳分かんないな。スパーダ。 まぁいいや。 きっと 不機嫌だった理由はコレだよね。 うん。解決解決。 「うっ……げっ…吐きそっ…ヤバ」 ヤバイ!コレはマジでヤバイ! 死にそうだ! 「え…おい!ルナ大丈夫かよ!? あっ、えー、中に入ろう!中に!」 スパーダはそう言って、私を抱えた。 姫抱っこ二度目。 あったけー。 でも 揺れて気持ちわるー。 揺られて 暖かくて 嬉しくて 意味わかんねぇ。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加