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「ルナー!兄貴がまたぁ」
オレが12の時。
ルナが17ん時。
オレは半泣きになりながら
慌てやってきたルナに抱き着いた。
「どうしたの、スパーダ君。
何か言われたの?」
ルナが心配そうにオレに尋ねると
オレはコクコク頷いた。
「う~ん。よし、ルナ姉ちゃんが
あやつを退治してやろう!」
そう言うルナは楽しそうで。
やっぱアイツだな、って思わせる。
てか、あやつって…
「なんだ、スパーダの所属メイドか。
なんのようだ?」
ルナには部屋にいなさいと言われたオレ。
でも気になってひょっこり顔を覗かせる。
ルナはなんか作戦でもあんのか?
と
オレも思いつつ、自分の記憶を見続ける。
一歩でも間違えればクビだしな。
小さなオレが見た光景は
ただ胸張って兄貴に突っ掛かってくルナ。
……あれ、作戦?
「あら、こんにちは。お兄様方」
わざとらしくニッコリ微笑むルナ。
いま思えば、だいぶ怖い。
「………………。」
兄貴と言えば、態度が気に入らなかったのか
ルナをギロリと睨みつけている。
「コホンっ!風の噂で聞きましたのですがぁ、」
瞳を閉じて咳ばらいを一度すると
眼を上にあげ、そう途中まで言った。
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