なんで最後スパーダサイド何だよ!普通はヒロインサイドだろォ!

9/12
前へ
/203ページ
次へ
「てめぇ!」 スパーダが…切り掛かる。 お兄ちゃんに…。 そんな事…しちゃったら… …殺しの…鬼が…… そして‘ルナ’としての 感覚が無くなってゆく。 どうなってるの? 私の…頭は…体は… 何が…おこってるの…。 微かに聞こえる、刃と刃が交じり逢う音。 分からない。 ねぇ ルイネシャルアって… 本当の私…なの? なら…私って…ルナって何なの? ― ねぇ 貴女はどうして戻って来たの ― そんなの…知らない ― 無駄な争いを生み出す為に、貴女は戻って来たの? ― 違う。 誰かが傷つくのを見るのは…嫌だ。 ― 違う事無いでしょう?貴女は、きっと誰かを傷付けたかったのよ。だって…貴女は殺し屋ですもの。 ― 違う!殺し屋とか… そんなの関係無い! 私は…皆を傷付けたくなんか… ― 何時までそう言えるんだろうね。いつかは突き当たる。自分の存在について。貴女は凄く厄介な‘モノ’なんだもの。― 物…なんかじゃ… ― 兄さんにも…父さんにも…母さんにも…みんなに…貴女は‘モノ’として、‘道具’として使われていたじゃない。― 違う!違う違う違う違う! ― いくらもがきあがいても!貴女は誰からも‘ヒト’として必要にされない。― そんなの…まだ分からない! ― 目に見えてるじゃない。ふふっ、私は貴女で貴女が私なのよ?分かりきってる… ― うるさい!煩い煩い煩い煩い煩い煩いウルサイ! 貴女と私は違う!絶対に! ― そんな事ないわ。貴女の心は私にも見えるもの…。貴女…あの子が…スパーダ君が好きなんでしょう? ― あの…子…? ……スパ…ーダ? ― 良いわね。本当に幸せそうで…でも、それも今のうちよ。捨てられるわよ。きっとね。― な…なんでそんなの! ― 貴女は、‘バケモノ’何ですものね。― ば…け……。 ― さようなら。私の光。陰(かげ)になったその時、また会いましょう。― 遠ざかって行く…私と同じ声 私にとって、残酷な記憶を残して。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加