なんで最後スパーダサイド何だよ!普通はヒロインサイドだろォ!

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オレはそれを、恥だとか言ってる ルナの兄貴が許せなかった。 「てめぇ!」 オレはそいつに斬りかかった。 オレの後に皆も続いた。 そいつは確かに、強かった。 オレ一人じゃ絶対勝てない、 強さだった。 皆で力を合わせてやっと、 膝をつかせた。 その時だ。 ルナが叫んだ。 『違う』って『いや』だって いつだって、あんなに声を 荒げた事の無いルナが大声で、 荒れ狂ったように 否定の言葉を叫んでいる。 ルナの中で何かが起こってるんだ って思った。 あいつが膝をついている隙に、 何とかルナの元に辿りついた。 だが、どれだけ声を掛けても、 ルナの声が止む事は無かった。 早くしないと、とオレは焦っていた。 いつルナの兄貴が斬り掛かって くるか分からない。 オレはそっとルナを抱きしめた。 ルナの顔はオレの胸の中に収まった。 胸元が湿っていく。 泣いてる? そんな風に思ってる暇は無くて、 声が止んだルナを抱き上げ、 みんなの元へ引き返した。 あいつの、ルナの兄貴の 傷は意外に深く、チトセと共に、 二人はあっと言う間に消えていった。 オレ達は追い掛ける事もせずに 宿へと向かった。 その間、会話は一つも無かった。 腕の中のルナは ただ死んだように眼を閉じて眠っていた。 ルイネシャリア オレの頭の中で回る。 ルナの 本名………。
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