へーんしぃーん!

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「さぁ!皆行こう!」 「おう!」 ハルトマンに見送られながら.私が元気に声をあげた。 元気があればなんでも出来る! YES!! 「確かナーオス基地は西だったわね。」 そう言って先頭を歩くイリア。 たっくましー。 全くルカ君。 彼女を見習いなさい! ちらりとルカに目をやれば テンションは下がりに下がって溜め息ばかり。 「ルカ。そんなに二酸化炭素増やしちゃいけないよ」 「Σわっ!ルナいたの!?」 失礼だな。 いたのって いないみたいじゃん。 ルカの馬鹿。 「で.どうしたルカ君。」 「その…家族が心配してるんじゃないかなぁ…って思って…」 目を伏せてルカが言った。なんか寂しそう。 話が聞こえていたのか 振り返ったイリアが話に加わる。 「んー.してんじゃない?あんた家出同然だったし」 「イリアは…帰りたいとか思わないの?」 ルカがイリアに問い掛けると イリアは上を向き言った。 「…あたしは帰らない」 そうはっきりとイリアが言った。 それを聞いたルカがまた口を開いた。 「なぜなの?」 何故になぜなのなんだ。 普通どうして?とかだろ 妙に引っ掛かるな。 「決めたんだもん。前世の記憶でイヤな目に遭う人生なんてまっぴら!あたしはあたしの人生を歩むの。アルカなんて絶対信用出来ないし、かといって捕まっちゃうのも御免だし」 「で、でも…こういう暮らしってツラくない?」 なんか私話に入れてもらえそうな状況じゃないな。 そう悟った私はスパーダの横に移動した。 「何言ってんの?アルカで生きてくか、この前みたいな戦争の駒として死ぬかの二択じゃない!こっちの方が絶対マシってもんよ!あたしはこのまま突き進む。誰も邪魔なんてさせないもんね」 「でも国とか教団相手に逃げ回る事になるんだよ?僕らじゃ手に負えないと思う。…前世を思い出すのだって出会うのは敵ばっかりで楽しい事ばっかりじゃなかったし…」 「…それが何?じゃあ帰ればいいじゃない!」 イリアはそう怒鳴り声をあげると私たちに背を向けた。
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