64人が本棚に入れています
本棚に追加
「あたしは…帰るに帰れない…帰りたくても帰れないんだから…」
さっきとは変わって
弱々しくイリアが言った。
少し方が揺れてる。
………もしかして泣いてますか?
「あたし、あんたを巻き込んじゃったね…ごめんね。ルカ…ほんと…ごめん…迷惑なんてかけるつもりなかった…もん…」
イリアの姿にルカは黙り込んでしまった。
ルカ…。
そこはイリアの気持ちを分かって、バシッって言わなきゃ。
見せ所なのに…。
二人を見て誰にも聞こえない位に
小さく息を吐いた。
そんな光景に見かねたのかスパーダがルカに言った。
「なぁ、ルカ。お前の言う通りオレらは国や教団を相手にしてんだぜ?どのみち、帰った所ですぐ捕まっちまうってもんさ。どうせ捕まんだったら、もうちょい頑張ってみねぇ?」
「…帰ったら捕まっちゃうのかな?」
「間違いないだろうな。ガキの行動範囲なんて所詮家が中心だろ?確実に実家は監視下にあるだろうよ。」
「スパーダはお家の人心配してないの?」
「してるもんかよ。いい厄介払いが出来たって喜んでるさ。オレはこの通り不良だからな。親父や兄貴達との折り合いが悪くってさ。ここ一年ぐらいまともに家にも帰ってなかったぐらいだな。だから家なんてどうでもいいや」
……なんか私に言ったことと違うくないかスパーダよ。
最初のコメントを投稿しよう!