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私が彼女の手を握り返し
彼女の瞳に目を合わせる。
「……でも…でもわたしは……」
「人を殺すための兵器なんて、
貴女がするような事じゃない。
ほら、貴女の手はこんなに綺麗だよ?
貴女には人を癒す力がある。
貴女にはそんな事して欲しく無いと
願っている人がいる。
みんな、貴女を待ってるの。
…もしかしたら、
貴女は人を殺したかも知れない。
なら尚更、貴女はその人の分も
生きて生きて、その笑顔を見せて、
人を癒し続けなければならないんじゃないかな?」
私が穏やかに微笑みながら言えば
納得したように微笑みかけてくれた。
「よし!んじゃ帰るか!」
一難去ってまた一難
私が立ち上がったその時。
煩いほどに
響き渡るのは
危険を知らせる
警鐘だった…。
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