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時は流れても、私の中の劉備は小さくなるどころか、ますます大きくなった。
その後も、呂布に追われ、幾度となく命を狙われても泥臭く生き続けた劉備。
私はテレビで劉備が取り上げられるたびに胸をときめかせた。
そして、何十万にもの民の前での大演説。
『ここいらでこのキャラバンは解散だ!けど、俺はまだ天下を諦めてねぇ!』
ブラウン感越しからも伝わる熱。
劉備を求める民の声。
私はそれを食い入るように眺めていた。
『きっと迎えに来るぜ!その時はまた、俺に力を貸してくれぇ!』
劉備という宇宙は、果てしなく広がっていく。
世界は小さく、そして大きい。
女の私は、劉備の迎えをずっと待っていたのかもしれない。
そう、この日を。
父さん、私はとても幸せです。
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