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皇后と見間違うような威風を持つ呉国太にも劉備は物怖じせずに言った。
呉国太「…くくっ、やはり言うとおりだな。」
呉国太の表情が和らぐのを見て、劉備と趙雲は怪訝な顔をした。
呉国太「腹も分からぬ他国に嫁を貰いに乗り込み、領地を奪い取りながらも悪びれることも怖じ気つくこともない胆勇…。」
呉国太も、盃に入った酒を少し呑んだ。
呉国太「今は亡き夫が言っておった。群雄が割拠する平原にて、かの呂布に対峙する英雄がおったと。」
中原の有力な雄達の誰もが怖れた呂布に、唯一相対した名も無き兵。
江南の雄、孫堅はそんな劉備の姿を面白く眺めていたようである。
呉国太「中原の臆病な有力者の中で、やはり輝きを放っていたのは曹操、そして劉備。」
呉国太は劉備を見た。
吸い込まれそうな視線に、劉備は笑って答えた。
劉備「いやぁ、よかった。」
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