第三十七話 【甘露寺の会談】

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呂範は焦っていた。 呉国太の、劉備暗殺の合図がまだ出ない。 呉国太が酒を飲み干し、呂範がおかわりを促すと、それを断り一杯の水を要求する。 それが計画の合図だった。 呂範が水を用意するために裏口に行き、そこで兵を伏した賈華に連絡する手筈になっていた。 しかし。 呉国太の盃には、まだ酒が残っている。 仕方なく呂範は引き続き、いつ出るかわからぬ合図を見逃さぬよう注意を払っている。
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