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第三十八話 【銃腰姫と天下人】
ドアを開くと、先日選んだドレスを身に纏った孫仁がいた。
数人の女が彼女にメイクを施している。
孫仁「母さんが劉備を呼び出したんですって?」
孫権「あぁ、つまらない男であれば殺すつもりだったらしい。」
孫仁はくすっと笑った。
孫仁「で、どうなったの?」
孫権「それが、いたく劉備を気に入ったらしい。しまいには自分が結婚すると言い出しかねなかったと呂範が言っていた。」
孫仁「劉備を義弟にするどころか、義理の息子にされちゃうとこだったのね。」
孫権は側にあった椅子に腰掛けて笑った。
孫権「…いよいよだな。」
孫仁「ええ…、それよりどうなの?自慢の花嫁の感想は。」
孫権「うむ。どこに出しても恥ずかしくない。」
孫権は、背中越しに嫁ぐ妹を見つめていた。
孫仁「まるで、お父さんみたいね。」
孫権「…父上も喜んでいるだろう。」
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