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父から聞いた英雄、劉備の物語は私の心の中に何かを宿したのは間違いない。
兄の名、孫仁を名乗ったり、父が与えた玩具のピストルで戦の真似事をしたのも、劉備というの幻想を追いかけていたのかもしれない。
劉備三兄弟と共に呂布と戦う夢を何度も見た。
しかし、私は女だった。
周りの人間は、必死で男の真似をする私を面白がるばかりだった。
父や兄達が挙げる戦功をテレビの前で歯痒く見ていたのを皆は知らない。
私も共に戦いたい。
さらに年月が過ぎ、父が死んだ。
当時、最も強いとされた軍を率いていたはずの父があっけなく死んだ。
最強であるはずの父がいとも簡単に。
私はもっと強くなりたいと思うようになった。
私の玩具のピストルは、その頃から本物の拳銃に変わった。
いつもそれを身につける私を、周りは銃腰姫と呼んだ。
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