426人が本棚に入れています
本棚に追加
呉国太「しかし今、考えてみれば賈華の手勢をもってしても劉備を討てたかどうか…。」
呉国太はワイングラスを手に、趙雲の横に並ぶように立った。
呉国太「お主の武を鑑みれば、神聖な堂に血塗られた死体の山を築きかねなんだ。」
趙雲は姿勢を崩さずにただ頷いた。
趙雲「恐縮です…。」
呉国太は一呼吸おいて、
呉国太「だが、あの場において劉備を守っていた武は、家臣の君主に対する“忠”と言うよりもむしろ…。」
呉国太はグラスを傾け、飲み干したワインを近くにいたボーイに渡した。
ボーイは手際よく、それを受け取り、その場を離れる。
呉国太「“愛”というものだと感じたが…。」
趙雲「…お戯れを。殿にそのような…。」
呉国太「誤魔化さずともわかる…。」
趙雲が言い終わる前に呉国太は釘を指した。
呉国太「…お主も劉備のことを…。」
最初のコメントを投稿しよう!