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張昭「確かに大きな成果だが、遅すぎる…。」
南郡、制圧。
しかし、その遅すぎる報せに張昭は歯噛みした。
いや、張昭のみならず、呉陣営のムードは暗い。
全ては周瑜の死。
それはあまりに大きな損失。
張絋「さらに憂れうべくは劉備の南荊州取り…。」
結果、南郡の曹仁を撤退させるのに一年以上かかり、その間に劉備は南荊州を手に入れたのである。
そんな中。
「あの曹操を倒し、中原への足掛かりを得たばっかりと言うのに座が暗いわねぇ…。」
末席から現れたのは、背の高い、武装した女だった。
張昭「妹君…。」
「じぃや、私の事は孫仁って呼んでちょうだいって言ったでしょ。」
国の重臣、張昭をじぃやと呼ぶその女は、颯爽と孫権の前に立ち礼を取った。
孫権「孫仁はお前の兄の名だろう。」
孫仁「兄さんには孫郎っていうちゃんとした名前があるじゃない。」
その女は孫権の弟である孫郎のさらに妹。
つまり、簡単に言うと孫権の実妹である。
孫権「侍女達に武装させたり、そんな武士みたいな名前を名乗ったり、まさか戦場に出るなんて言わんだろうな。」
孫仁「兄上。劉備を倒すのに…、兵はいりませんわ。」
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