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頭を抱える孫権を軽くいなした孫仁は、それでも語気を弱めない。
孫仁「劉備を、兄上の義弟にします。」
場がどよめく。
君主の実妹が何を言い出すのか。
政略結婚。
孫仁「私は劉備と結婚します。」
張昭「お…、お待ち下され、劉備が頷くとは思えませぬ。」
明らかに裏のある結婚の申し込み。
やっと話を割って入った張昭は慌てている。
孫仁「通じる。あの男は逃げたりしない。」
昔、戦場から帰還した父から聞いたある男の話。
孫仁の目は本気だった。
張昭「しかし…。」
孫権は半ば諦めたのか、何も言わず肘をついてそれを眺めていた。
孫仁「私が劉備の妻になれば、孫・劉共同戦線が組め、周瑜殿の悲願であった蜀取りも容易になるはず。」
周瑜の悲願。
蜀、呉からの魏攻め。
孫権「自らの策にずいぶんな自信だな。しかし、お前のようなお転婆を劉備が嫌がるかもしれんぞ?」
孫仁「あら?私ほどの美人でナイスバディの誘いを無視できる男なんているかしら?」
孫仁は自らのふくよかな乳房のラインを軽く撫で、その美しい白い歯を輝かせて笑った。
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